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細胞生物学:細胞外に放出されたヒストンH4は溶解性細胞死の誘導によって慢性炎症を引き起こす
Nature 569, 7755 doi: 10.1038/s41586-019-1167-6
炎症の恒久化は、幅広い医学的負担を引き起こす重要な病態生理学的要因となっている。慢性炎症はプログラムされていない細胞死によって促進されるが、慢性炎症が誘導される仕組み、細胞でのメディエーターや分子メディエーター、またその治療的重要性についてはほとんど分かっていない。今回我々は、世界の死亡率の主要な根底的原因の1つであるアテローム性動脈硬化のマウスモデルを用いて、細胞外ヒストンH4によって仲介される平滑筋細胞(SMC)の膜の溶解が、動脈組織の損傷と炎症を引き起こすことを示す。損傷部の活性化したSMCは好中球を誘引し、核タンパク質を含む好中球細胞外トラップの放出を引き起こすことが分かった。核タンパク質の中で、ヒストンH4はSMCに結合してこれを溶解し、これがプラークの不安定化につながる。逆に、ヒストンH4を中和するとSMCの細胞死が妨げられ、アテローム性動脈硬化病変部が安定化する。これらの知見は、慢性の血管疾患の核心に白血球が引き起こす細胞死の一形態が関わっていることを突き止めたもので、これは治療標的となる可能性がある。

