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がん:ER+乳がんにおいてLLGL2はロイシンの取り込みを促進することで栄養ストレスを救済する
Nature 569, 7755 doi: 10.1038/s41586-019-1126-2
ショウジョウバエ(Drosophila)のLglとその哺乳類ホモログであるLLGL1およびLLGL2は、上皮細胞で頂端–基底極性の確立を調節する足場タンパク質である。Lglはショウジョウバエの腫瘍抑制因子として機能するが、哺乳類のLLGL1とLLGL2のがんにおける役割は分かっていない。乳がんの大部分(約75%)がエストロゲン受容体(ER)を発現していて、こうした腫瘍を持つ患者は内分泌療法を受ける。しかし、内分泌療法への抵抗性が生じることや転移プログレッションは、ER+乳がん患者の主な死因となっている。今回我々は、LLGL1とは異なってLLGL2はER+乳がんで過剰発現しており、栄養ストレス下で細胞増殖を促進することを報告する。LLGL2は、ロイシン輸送体SLC7A5および膜融合の調節因子YKT6と三量体複合体を形成することによってSLC7A5の細胞表面レベルを調節し、ロイシンの取り込みと細胞増殖を促進する。エストロゲン受容体はLLGL2を標的として発現させる。乳がん細胞における内分泌療法への抵抗性は、栄養ストレスへのSLC7A5およびLLGL2依存的な適応と関連していた。SLC7A5はタモキシフェン治療に対する抵抗性の付与に必要かつ十分であることから、SLC7A5が乳がんの内分泌療法への抵抗性を克服するための有望な治療標的であることが特定された。従って、LLGL2はER+乳がんにおいて腫瘍増殖の促進因子として機能し、腫瘍抑制因子としては機能しない。栄養ストレスへの適応は、乳がん以外でも非常に重要であり、我々の知見からこの過程におけるLLGL2の予想外の役割が明らかにされた。

