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幹細胞:単一細胞の分解能での骨髄微小環境
Nature 569, 7755 doi: 10.1038/s41586-019-1104-8
骨髄微小環境は造血の調節に重要な役割を担っているが、その分子的複雑性やストレスへの応答は完全には解明されていない。今回我々は、恒常性状態とストレス誘導性造血条件下の両方において、マウスの骨髄の血管細胞集団、血管周囲細胞集団、骨芽細胞集団の転写全体像を単一細胞の分解能でマッピングした。この解析から、骨髄ニッチ内に、これまで認められていなかったレベルの細胞不均一性があることが分かり、造血促進性の増殖因子、ケモカイン、膜結合リガンドの細胞供給源が明らかになった。我々の研究から、ストレス条件下では、血管周囲細胞の脂肪細胞への偏りなど、ニッチ要素の大きな転写リモデリングが起こることが実証された。ストレスによって誘導される変化の中で、血管細胞におけるNotchのdelta様リガンド(Dll1およびDll4にコードされる)の発現低下が観察された。血管にDll4が存在しないと、造血幹細胞で骨髄系転写プログラムが時期尚早に誘導された。これらの知見から、骨髄ニッチの細胞構造に関する理解が深まり、ストレスに感受性の高い動的で不均一な分子的全体像が明らかになり、個別のニッチ細胞集団による造血の調節を評価する上で単一細胞トランスクリプトームデータが有用であることが示された。

