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発生生物学:腸オルガノイドの発生における自己組織化と対称性の破れ

Nature 569, 7754 doi: 10.1038/s41586-019-1146-y

腸オルガノイドは、単一の腸幹細胞に由来する細胞集団が自己組織化能力を再現することで、腸の細胞タイプ組成や腸の組織化を模倣する複雑な三次元構造である。この過程で重要なのは対称性を破る最初の事象で、この際に対称な球状細胞塊中の同一な細胞の一部のみがパネート細胞に分化し、パネート細胞が幹細胞ニッチを作り出すことで、陰窩や絨毛のような非対称構造が生じる。今回我々は、単一細胞での定量的ゲノム手法と画像化手法を組み合わせて、単一細胞からの腸オルガノイド発生の特徴付けを行った。その結果、腸オルガノイドの発生は、転写調節因子YAP1の一過的な活性化によって引き起こされる再生過程をたどることが分かった。対称な球状の細胞塊中で細胞間でのYAP1のばらつきが生じると、NotchとDLL1の活性化が始まり、対称性の破れ事象と最初のパネート細胞の形成が駆動される。今回の知見は、多細胞性の複雑な非対称構造の形成につながる創発的で自己組織化された挙動を生み出す固有の能力が、均一な増殖促進環境にさらされた単一細胞に備わる仕組みを明らかにしている。

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