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がん:膵臓がんの治療と監視を目的とした、LIFを介するパラクリン相互作用の標的化

Nature 569, 7754 doi: 10.1038/s41586-019-1130-6

膵管腺がん(PDAC)の予後は非常に悪く、それは主として効率的な診断法の欠如と高い薬剤抵抗性に起因する。膵臓星細胞(PSC)の活性化と、その結果生じる高密度の間質の形成が、PDACのアグレッシブな生物学的特性の原因となる顕著な特徴である。PSCと膵臓がん細胞(PCC)の間の相互作用は、腫瘍のプログレッションや転移を亢進するだけでなく、それら自身の活性化を持続させて、腫瘍発生や薬剤抵抗性を増悪させる悪循環を促進する。さらに、PSCの活性化は、PDAC腫瘍発生の非常に初期に起こり、活性化されたPSCは腫瘍塊のかなりの割合を占め、検出の容易な因子の豊富な供給源となる。そこで我々は、PSCとPCC間のコミュニケーションが、PDACの治療や診断に効果的な戦略を開発するための利用可能な標的となり得るのではないかと考えた。本研究ではまず、分泌された疾患メディエーターおよび原因となる分子機構をプロテオミクスにより体系的に調べることから始め、白血病抑制因子(LIF)が、活性化されたPSCから分泌される主要なパラクリン因子の1つであり、これががん細胞に作用していることを示す。薬理学的なLIFの阻害、および遺伝学的なLifrの欠失の両方が、腫瘍のプログレッションを顕著に遅らせ、化学療法の効果を増強してPDACマウスモデルの生存を延長させた。これは主に、がん細胞の分化と上皮間葉転換状態の調節によるものである。さらに、マウスモデルとヒトPDACのどちらにおいても、膵臓でのLIFの異常な産生は病的状態に限定されていてPDACの発病と相関しており、循環血中LIFのレベルの変化と腫瘍の治療応答性との間に高い相関が認められた。これらの知見をまとめると、PDAC腫瘍発生におけるLIFの働きが明らかになり、有望な治療標的や循環血中マーカーとしてLIFを実用に応用できる可能性が示唆された。我々の研究は、腫瘍微小環境内の細胞間コミュニケーションをよりよく理解することによって新たながん治療戦略が示唆され得ることを示している。

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