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分子進化学:トランスポゾンの分子的ドメスティケーションとRAGリコンビナーゼの進化

Nature 569, 7754 doi: 10.1038/s41586-019-1093-7

抗体やT細胞受容体の多様なレパートリーを作り出す、RAG1–RAG2リコンビナーゼ(RAG)とV(D)J組換えを生じさせるトランスポゾン(ゲノム中で自らの位置を変えることができるDNA塩基配列)のドメスティケーションは、有顎脊椎動物の適応免疫系の進化において極めて重要な事象であった。祖先的なRAGトランスポザーゼを、適切に調節されたDNA切断活性や転位活性を有するRAGリコンビナーゼに形質転換させた進化的適応は解明されていない。今回我々は、ナメクジウオのProtoRAGトランスポザーゼ(RAGの進化的に近縁な分子)のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造から始めることで、RAGが、共役的切断傾向を持つこと、非対称DNA基質を選択すること、細胞では転位できないことの土台となるアミノ酸残基およびドメインの獲得や喪失を特定した。特に、RAG1の848番目のアルギニンとRAG2の1つの酸性領域は、有顎脊椎動物に特異的な2つの適応であることが突き止められ、これらは共同でRAGを介した転位を1000倍以上抑制する。我々の知見は、RAGを介した転位を抑制するための二重構造の機構を明らかにし、V(D)J組換えの進化に光を当て、トランスポゾンの分子的ドメスティケーションを支配する原理についての手掛かり示すものである。

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