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がんゲノミクス:乳がんの再発動態から明らかになった遅発性再発ER陽性ゲノムサブグループ

Nature 567, 7748 doi: 10.1038/s41586-019-1007-8

乳がんの致死的な全身への拡大が起こる速度や経路は、長期間にわたる詳細な追跡調査データを伴う分子的に特徴付けされた患者コホートがないため、ほとんど分かっていない。長期間の追跡調査は、エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんの患者では特に重要で、このタイプの乳がんは初回診断から最長で20年を経て再発することがある。従って、遅発性再発のリスクが高い患者を特定することは不可欠である。今回我々は、乳がんの異なる病期(局所領域再発、遠隔再発、乳がん関連死、他の原因による死亡)と乳がんによる死亡の競合リスクをモデル化する統計学的枠組みを示し、これによって同時に個人の再発リスクの予測が得られたことを報告する。このモデルを乳がん患者3240人(分子データが利用可能な1980人を含む)に適用することで、分子情報の異なるカテゴリー(すなわち、免疫組織化学的サブタイプ、遺伝子発現パターンに基づくPAM50サブタイプ、ゲノムのコピー数変化と遺伝子発現のパターンに基づく統合サブタイプであるIntClustサブタイプ)について、再発の時空間的パターンが詳細に明らかになった。遅発性再発を起こす4つの統合サブタイプが特定され、これらがER陽性かつHER2(human epidermal growth factor receptor 2)陰性の腫瘍の約4分の1(26%)を占めることが分かった。これらの各サブタイプでは、特徴的な腫瘍誘発ゲノムコピー数変化が起こっていて、診断から最長で20年後までに再発するリスクが高かった(平均47~62%)。また、トリプルネガティブ乳がんでは、5年以後のがん再発がまれなサブグループと、がん再発リスクが存在し続けるサブグループが明らかになった。これらの統合サブタイプを用いることで、遅発性の遠隔再発の予測が、臨床的共変量(リンパ節の状態、腫瘍のサイズ、腫瘍のグレード、免疫組織化学的サブタイプ)を用いるよりも向上する。これらの知見は、患者の層別化やバイオマーカーによる臨床試験を改良する機会をはっきりと示している。

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