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生物物理学:ダイニンの方向性はストークの角度と長さによって制御される

Nature 566, 7744 doi: 10.1038/s41586-019-0914-z

細胞骨格モーターには繊維状の軌道に沿って一方向に移動する能力があり、積み荷の輸送、細胞の運動、細胞分裂に担う役割にはこの能力が重要である。キネシンモーターとミオシンモーターのファミリーには、微小管やアクチンフィラメント上を同じファミリーの他のモーターとは逆の末端に向かって動くモーターからなるサブクラスがあるが、これまでに調べられたダイニンモーターは全てが、微小管のマイナス端に向かう方向にのみ移動する。我々は、クライオ(極低温)電子顕微鏡法と分子動力学シミュレーションを用い、微小管のプラス端方向に進む出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)ダイニンを設計することによって、ダイニンの方向性の基盤となる機構の解明を試みた。本論文では、一分子アッセイ法を用いて、モーターと微小管とをつなぐコイルドコイル構造のストーク(柄)の伸長もしくは短縮が、微小管の周りでのダイニンのらせんの方向性を制御していることを明らかにする。ストークの長さと角度を変えることによって、ダイニンの運動方向を微小管のプラス端に向かうように逆転できた。このような修飾は、ダイニンのリンカー部分が微小管に対して揺れる方向を変えることで作用していて、ダイニンが微小管から非対称的に離れる方向を逆にするからではない。ダイニンのストークの長さと角度は異なる生物種間で完全に保存されているので、今回の知見は全てのダイニンが微小管のマイナス端に向かって移動する理由の説明となる。

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