Letter
惑星科学:海王星の7番目の内衛星
Nature 566, 7744 doi: 10.1038/s41586-019-0909-9
探査機ボイジャー2号は、1989年の海王星へのフライバイ(接近通過)で、逆行する大きな衛星トリトンの軌道よりかなり内側を周回する、小さな衛星を6個撮像した。近くにある一連の環と同様に、これらの衛星は海王星自体よりもおそらく若く、トリトンの捕獲の直後に形成され、その大半が彗星の衝突によって何度も断片化されたと思われる。本論文では、ハッブル宇宙望遠鏡による、海王星の7番目の内衛星であるヒッポカンプの観測結果について報告する。この衛星は平均半径が約17 kmで、他の6個の衛星より小さい。我々はまた、1989年以来観測されていなかった、海王星の最も内側の衛星であるナイアドも観測し、連続画像をゆがめてそれぞれの衛星の軌道運動を補正することによる手法を用いて、全ての内衛星について天体位置測定、軌道決定、サイズの見積もりを行った。この解析技術は、他の衛星や系外惑星にも応用できる可能性がある。ヒッポカンプは、内衛星では最も外側に位置し最大であるプロテウスのすぐ近くを軌道運動しており、これら2個の衛星の軌道長半径は10%しか異なっていない。プロテウスは、海王星との潮汐相互作用のために外側へ移動した。今回の結果は、ヒッポカンプがおそらくプロテウスの太古の破片であり、海王星の内側の系が多数の衝突によって形成されたという仮説をさらに裏付けている。

