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がん:もう1つの脂肪酸不飽和化経路が、がんの可塑性を高めていることの証拠

Nature 566, 7744 doi: 10.1038/s41586-019-0904-1

異常に活性化された脂質代謝はほとんどの腫瘍に存在していて、腫瘍増殖を維持するための脂肪酸の合成や鎖長の延長、不飽和化を可能にしている。しかし、脂肪酸代謝(特に脂肪酸不飽和化)を標的とする手法に対する感受性が見られるのは、一部の特定のがん細胞だけである。これは、多くのがん細胞の脂肪酸代謝には、まだ調べられていない可塑性があることを示唆している。本論文では、一部のがん細胞が、もう1つ別の脂肪酸不飽和化経路を利用できることを明らかにする。我々は、さまざまながん細胞株、マウスの肝細胞がん、ヒトの原発性肝臓がんや肺がんが、パルミチン酸を特殊な脂肪酸であるサピエン酸へ不飽和化し、増殖中のがん細胞での細胞膜生合成を維持していることを見いだした。また、サピエン酸生合成の結果として、がん細胞はステアロイルCoAデサチュラーゼに依存する既知の脂肪酸不飽和化経路を迂回できるようになることが分かった。従って、サピエン酸を合成するがん細胞のin vitroとin vivoでの増殖を低下させるには、これら両方の不飽和化経路を標的とする必要がある。我々の発見は、がん細胞での脂肪酸不飽和化における代謝的可塑性を説明し、がんでまだ調べられていない代謝経路ののつなぎ換えを明らかにしている。

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