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免疫学:ヒトのベースラインの抗体レパートリーには著しい多様性があるにもかかわらず共通性が見られる

Nature 566, 7744 doi: 10.1038/s41586-019-0879-y

原理的には、ヒトは適切な状況下で、どのような非自己抗原分子に対しても抗体応答を起こすことができる。この適応性はナイーブ抗体の大規模なレパートリーがあるために実現され、その多様性は抗原曝露後の体細胞超変異により拡大する。ヒトにおけるナイーブ抗体レパートリーの多様性から、少なくとも1012種類の抗体があると推定されている。健常成人の末梢血B細胞数は5 × 109という桁であるため、循環血中のB細胞集団の試料採取ではこの多様性のごく一部しか抽出されない。ヒトの抗体レパートリーの完全な解析は極めて困難であり、主な理由はその膨大なサイズにある。ヒト1人において再構成された抗体遺伝子やT細胞受容体遺伝子の全てがコードする情報量(適応免疫系の「ゲノム」)は、ヒトゲノムのサイズよりも4桁以上大きい。その上、Bリンパ球集団の大部分は生体から包括的に採取できない器官や組織に位置しているため、ヒトのレパートリー研究では主に循環血中のB細胞が用いられてきた。今回我々は、10人の循環血中B細胞集団を調べ、適応免疫受容体塩基配列の単一コレクションを得た。これは我々が知る限り、これまで報告されたものとしては最大で、ほぼ30億の抗体重鎖の塩基配列が含まれている。このデータセットにより、ヒトのベースラインの抗体レパートリーについて、今までに例のない深度と精度で遺伝学的研究が可能になり、また、それぞれの被験者は大部分が固有のレパートリーを持つこと、広く共通した抗体クロノタイプの亜集団が存在すること、抗体レパートリー全体は著しく多様であることが明らかになった。

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