Letter

天文学:400 MHzまでの周波数における高速電波バーストの観測

Nature 566, 7743 doi: 10.1038/s41586-018-0867-7

高速電波バースト(FRB)は分散度が大きく継続時間がミリ秒の電波閃光で、おそらく銀河系のはるか外側から到達している。この現象は1.4 GHz周辺の電波周波数で発見され、これまでに8 GHzという高い周波数で1例が観測されているが、低い周波数でかなりの探査が行われているにもかかわらず、700 MHz以下の周波数ではまだ観測されていなかった。本論文では、カナダ水素強度マッピング実験(CHIME)においてCHIME/FRB観測機器を用いて、400 MHzという低い電波周波数までの範囲で13例のFRBを検出したことを報告する。これらのFRBは、感度と観測視野がまだ設計仕様になっていない調整段階の望遠鏡で検出された。複数の事象の放射が、この望遠鏡が高感度で検出できる周波数域における最低の電波周波数である400 MHzまでで見られた。これらのFRBはさまざまな時間的分散挙動を示し、その大半は検出可能なほどに分散していたが、一部のFRBは最低周波数であっても計測の不確かさの範囲内で見かけ上は分散を示さなかった。13例のうち、1例の事象はこれまで報告されている中で分散度が最も小さく、これはこの事象がこれまで知られている中で最も近いことを示唆している。また、もう1例は同時掲載の論文で報告されているとおり、複数回の反復バーストを示した。今回のサンプルの全体的な分散特性から、FRBは天体の種類として、銀河系内の拡散星間物質よりも電波を強く散乱する環境に選択的に位置していることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度