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構造生物学:β-カルボキシソーム生合成におけるCcmMによるRubisco凝縮体形成

Nature 566, 7742 doi: 10.1038/s41586-019-0880-5

細胞は、代謝経路の調節や効率化を行う戦略として、酵素の区画化を用いる。シアノバクテリアのα-およびβ-カルボキシソームは、リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco;大サブユニットRbcLと小サブユニットRbcS、各8個からなる複合体)とカルボニックアンヒドラーゼを含む。HCO3−はカルボキシソームのタンパク質の殻を通って拡散できるが、CO2はできないため、Rubiscoによる炭素固定のためにカルボニックアンヒドラーゼが高濃度のCO2を生成する。カルボキシソームの殻は還元物質への接近も防ぎ、酸化環境を生み出している。β-カルボキシソームの形成には、タンパク質CcmMによるRubiscoの凝集が必要であり、CcmMには2つの型が存在する。1つは完全長のCcmM(シアノバクテリアの一種Synechococcus elongatus PCC7942ではM58)で、1個のカルボニックアンヒドラーゼ様ドメインの後ろにRubiscoの小サブユニット様(SSUL)モジュール3個が柔軟性のあるリンカーで接続されており、もう1つはカルボニックアンヒドラーゼ様ドメインを持たないCcmM(同バクテリアのM35)である。SSULモジュールは、RbcSに置き換わることによってRubiscoと相互作用すると長らく考えられてきた。今回我々はRubisco–CcmM複合体を再構成し、その構造を明らかにした。予想に反して、SSULモジュールはRbcSに置き換わるのではなく、RbcL二量体の間のRubiscoの赤道領域付近に結合し、Rubisco分子を連結させて液体様マトリックスへの相分離を誘導することが分かった。SSULのジスルフィド結合の形成は、ネットワークの柔軟性を高め、in vivoでのカルボキシソームの機能に必要とされる。注目すべきは、Rubiscoの液体様凝縮体を形成させているのはSSULドメインとの動的な相互作用であって、真核生物で液–液相分離を生じさせることの多い低複雑性配列ではないという点である。実際、真核藻類のピレノイド(カルボキシソームの機能的ホモログ)の内部では、Rubiscoが天然変性タンパク質であるEPYC1との相互作用によって液体様の状態をとっている。カルボキシソームの生合成を理解することは、植物のCO2濃縮機構の操作に取り組む上で重要と考えられる。

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