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細胞生物学:分裂クライシスの際のオートファジーを伴う細胞死は染色体不安定性を制限する
Nature 565, 7741 doi: 10.1038/s41586-019-0885-0
分裂クライシス(replicative crisis)は老化とは無関係の過程であり、細胞周期チェックポイントが破壊された前がん細胞を除去することで、発がん性形質転換に対する最終障壁として働いている。この過程は強力な腫瘍抑制因子として機能し、最終的には広範囲にわたる細胞死が起こる。細胞が除去を免れて、悪性腫瘍に進化することはまれだが、クライシスでの細胞死の基盤となる機構はよく分かっていない。今回我々は、クライシスの際の繊維芽細胞や上皮細胞の細胞死にマクロオートファジーが主要な役割を担っていることを示す。オートファジー活性化を抑制すると、クライシスの回避が促進され、増殖が継続し、ゲノム不安定性が蓄積するので、これは細胞死に不可欠である。テロメアの機能障害はオートファジーを特異的に引き起こすことから、テロメアが促進するオートファジー経路の関わりが考えられるが、この経路は染色体内の切断によっては誘導されない。テロメアDNAが損傷を被ると、自発的に壊れる脆弱な核膜を持つDNA種が細胞質ゾル中に生じる。細胞質ゾル中のクロマチン断片は、cGAS–STING(cyclic GMP-AMP synthase–stimulator of interferon gene)経路を活性化して、オートファジー装置を機能させる。我々のデータは、オートファジーは腫瘍抑制性のクライシス機構の不可欠な構成要素であり、オートファジー機能の喪失ががんのイニシエーションに必要であることを示唆している。

