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生化学:ミトコンドリアの複合体IIIは制御性T細胞の抑制機能に不可欠である
Nature 565, 7740 doi: 10.1038/s41586-018-0846-z
制御性T細胞(Treg細胞)は、CD4+ T細胞の独特のサブセットで、免疫における自己寛容や恒常性の維持に必要である。最近の研究で、Treg細胞は独特の代謝プロファイルを示すことが実証されており、その特徴は他のCD4+エフェクターサブセットと比べて、ミトコンドリアの代謝が上昇していることである。さらに、Treg細胞系譜を決定する転写因子Foxp3は呼吸を促進することが示されている。しかし、ミトコンドリアの呼吸鎖がTreg細胞のT細胞抑制能、安定性、生存に必要であるかどうかは分かっていない。今回我々は、マウスでミトコンドリアの呼吸鎖複合体IIIをTreg細胞特異的に除去すると、Treg細胞数に影響はないが、若齢期に致死的な炎症性疾患が発症することを報告する。Treg細胞特異的にミトコンドリアの複合体IIIを欠損するマウスは、Treg細胞の増殖や生存に変化はないが、T細胞抑制能が失われていることが分かった。複合体IIIを欠損するTreg細胞はTreg細胞機能に関連する遺伝子群の発現低下を示すが、Foxp3発現は安定したままだった。Treg細胞における複合体IIIの欠損によって、DNAメチル化の増加とともに、DNA脱メチル化酵素のTET(ten-eleven translocation)ファミリーを抑制する代謝産物である2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)やコハク酸の増加が見られた。従って、Treg細胞は、免疫調節遺伝子の発現や抑制機能を維持するためにミトコンドリアの複合体IIIを必要とする。

