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発生生物学:細胞間移動性のPEAR転写因子は細胞の位置情報を統合して形成層の成長を準備させる

Nature 565, 7740 doi: 10.1038/s41586-018-0839-y

植物における先端成長は種子発芽時に開始するが、肥大(側方)成長は前形成層細胞の初期発生過程では準備のみが行われ、維管束形成層によって後に活性化される。植物における肥大成長が組織化・調節される仕組みは不明だが、こうした系は、一部の動物の系で見られるような、既存の発生能パターンが早い時期に確立される発生能力と類似している。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)における肥大成長の開始が、根の前形成層組織における初期の原生師部要素の細胞列の周囲で起こることを示す。この領域でのサイトカイニンシグナル伝達は、1組の細胞間移動性の転写因子PHLOEM EARLY DOF 1(PEAR1)とPHLOEM EARLY DOF 2(PEAR2)、およびそれらの4つのホモログ(DOF6、TMO6、OBP2、HCA2)の発現を促進し、我々はこれらをPEARタンパク質と総称することにした。PEARタンパク質は原生師部要素で最大値をとる短距離の濃度勾配を形成し、肥大成長を促進する遺伝子の発現を活性化する。PEARタンパク質の発現と機能は、HD-ZIP IIIタンパク質と拮抗する。HD-ZIP IIIタンパク質は極性を持つ転写因子としてよく知られており、その発現はオーキシンの機能や細胞間移動性マイクロRNAのmiR165やmiR166によって、放射状に広がる非分裂の前形成層細胞の内部領域に集中している。PEARタンパク質は、自身に対して抑制的に働くHD-ZIP III遺伝子の転写を局所的に促進し、それによって負のフィードバックループを形成して、細胞分裂領域のロバストな境界を定めている。まとめると我々のデータは、根の前形成層の発生過程には、PEAR転写因子およびHD-ZIP III転写因子をつなぐモジュールが、ホルモン領域の空間情報とmiRNAの勾配情報を統合し、さらなる肥大成長の基礎となる隣接する分裂細胞領域と静止細胞領域の境界を決定する、というネットワークの存在を示している。

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