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発生生物学:高レベルのオーキシンシグナル伝達が維管束形成層の幹細胞オーガナイザーを規定する

Nature 565, 7740 doi: 10.1038/s41586-018-0837-0

材は木部組織の1つで、維管束形成層の細胞増殖によって生じる。木部は形成層の内側で、師部は外側で生み出される。一般的に植物の形態形成は、オーガナイザー細胞によって調整されており、これらの細胞は隣接する幹細胞に対してプログラムされた細胞分裂と分化を方向付ける。しかし、維管束形成層の幹細胞の位置や、オーガナイザーの概念がこの形成層にも当てはまるのかはよく分かっていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の根で細胞系譜の追跡と分子遺伝学研究を行い、木部の特性を持つ細胞が、隣接する維管束形成層細胞に働き掛け、幹細胞として分裂・機能させることを明らかにする。つまり、木部の特性を持ったこれらの細胞は、オーガナイザーの性質を有している。植物ホルモンのオーキシンの局所的な極大が、転写因子CLASS III HOMEODOMAIN-LEUCINE ZIPPER(HD-ZIP III)を発現させることにより、オーガナイザー細胞の木部特性と静止状態が促進される。さらに、このオーガナイザーは、細胞非自律的様式で師部の特性を維持する。オーガナイザー細胞が持つこの二重の機能と一致して、木部と師部は放射状の各細胞列中で単一の二面性幹細胞から生じ、これによって単列の維管束形成層の古典的理論が確かめられた。異所的に活性化された高レベルのオーキシンシグナル伝達を示すクローンは、木部導管として分化し、隣接する細胞で分裂と、形成層と師部のマーカー発現を誘導するため、局所的なオーキシンシグナル伝達の極大は、幹細胞オーガナイザーの指定に十分であることが示唆される。維管束形成層は植物の分裂組織の中でも独特な機能を持つが、この組織の幹細胞オーガナイザーも、根や茎の分裂組織のオーガナイザーと共通した性質を持つことが分かった。

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