Letter
光物理学:極端紫外域の屈折光学素子
Nature 564, 7734 doi: 10.1038/s41586-018-0737-3
屈折は、物質を通って伝搬する光波の方向が変化するよく知られた光学現象である。屈折に基づく顕微鏡やレンズ、プリズムは、可視、赤外、紫外、X線波長の光ビームの制御に不可欠なツールである。この数十年の間に、実験室環境や大規模施設において、さまざまな極端紫外光源や軟X線源が開発されてきた。しかし、極端紫外放射は物質中で強く吸収されるため、このスペクトル領域の屈折レンズや屈折プリズムの開発が阻まれており、代わりに反射鏡や回折によるフレネルゾーンプレートが集束に用いられている。今回我々は、極端紫外ビームのプロファイルにわたって密度勾配を有するガスジェットを用いることによって、極端紫外放射の屈折の制御を実証する。我々は、周波数に依存してビームを偏向させる気相プリズムを作製した。そして、原子共鳴付近での強い偏向を用いて、極端紫外放射用の変形可能な屈折レンズを開発した。このレンズは吸収が弱く、ガスの圧力を変えることによって焦点距離を調節できる。今回の結果は、他のスペクトル領域では十分確立されている屈折に基づく技術の、極端紫外領域への適用の道を開くものである。

