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神経科学:ドーパミンは嫌悪刺激の皮質–脳幹符号化における信号対雑音比を増大させる
Nature 563, 7731 doi: 10.1038/s41586-018-0682-1
ドーパミンは内側前頭前野(mPFC)の活動を調節してさまざまな行動機能を仲介するが、その正確な回路計算機構は未解明である。ドーパミンが多様な機能の基盤にあるとする、統一モデルとなり得るモデルの1つは、mPFCニューロンの亜集団の信号対雑音比を調節するというもので、この集団では感覚情報(信号)を担う神経活動が自発的発火(雑音)に応じて増幅される。今回我々は、背側中脳水道周囲灰白質(dPAG)に投射するmPFCニューロンで、ドーパミンが嫌悪刺激への応答の信号対雑音比を増大させることを実証する。電気化学的な手法によって、テイルピンチで起こるmPFCでのドーパミン放出の正確な時間経過が明らかになり、mPFC中のドーパミンは嫌悪刺激に対する行動応答を偏向させることが分かった。mPFC–dPAGニューロンの活性化だけで、場所回避や防御行動を起こすのに十分であった。mPFC–dPAGニューロンはショックで誘発されるロバストな活動を示し、これは微小内視鏡を用いた投射先を限定した単一細胞カルシウム画像法によって可視化された。また、mPFC中のドーパミン含有神経末端を光刺激すると、嫌悪刺激に対するmPFC–dPAG応答の信号対雑音比が増大することが分かった。これらのデータを総合すると、mPFC内のドーパミンが特定の下流回路へ感覚情報を選択的に通す仕組みが明確に示され、これは感情価処理の回路機構の1つである可能性がある。

