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気候変動:大規模な熱帯低気圧事象への人為的影響
Nature 563, 7731 doi: 10.1038/s41586-018-0673-2
熱帯低気圧は自然変動が大きく、一貫した観測が行われた期間が限られているため、気候変動が熱帯低気圧の統計にこれまで影響を与えてきたかどうかについての意見は一致していない。さらに、熱帯低気圧の活動の将来的な予測は、対流をパラメーター化しているために熱帯低気圧を直接表現するのが難しい、解像度の粗い気候モデルに依存していることが多いため、不確かである。今回我々は、対流許容地域気候モデルシミュレーションを用いて、近年の破壊的な熱帯低気圧が、産業革命以前の気候や将来の気候において生じるとしたら違ったものになるのか、また、違うとすればそれはどのようなものなのかを調べた。その結果、産業革命以前の条件と比べると、これまでの気候変動によって、ハリケーンのカトリーナ、イルマ、マリアの平均降水量と極値降水量は増加したが、風速強度は変化しなかったことが見いだされた。加えて、将来の人為的温暖化によって、13の猛烈な熱帯低気圧事象のうち11の事象(全球で15の事象をサンプル)で、風速と降水量が確実に増大すると思われる。さらに、地域気候モデルシミュレーションからは、対流のパラメーター化は、熱帯低気圧の強度と降水量の予測される変化の符号にごく小さな不確かさしかもたらさないことが示唆された。これにより、対流をパラメーター化した全球モデルによる予測への信頼性と、熱帯低気圧を表現するのに十分な細かい解像度が得られた。

