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構造生物学:セロトニン5-HT3受容体のコンホメーション変化
Nature 563, 7730 doi: 10.1038/s41586-018-0672-3
セロトニン5-HT3受容体は、リガンド依存性の五量体イオンチャネル(pLGIC)で、細胞膜を越えて作用するアロステリックシグナル伝達因子として機能する受容体の大きなファミリーに属している。これらの受容体では、細胞外部位に神経伝達物質が結合すると複雑なコンホメーション変化が起こって、イオン透過用の小孔が一過的に開口する。5-HT3受容体は、嘔吐、悪心、過敏性腸症候群、うつの治療標的である。pLGICの構造については複数の報告があるが、チャネルのゲート開閉に関わるコンホメーション変化についての明確な全体像はまだ得られていない。今回我々は、完全長マウス5-HT3受容体について、制吐薬トロピセトロン、セロトニンのみ、またセロトニンと正のアロステリック調節剤とそれぞれ複合体を形成した状態の4つのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造(分解能は3.2〜4.5 Å)を報告する。トロピセトロンが結合した構造は、阻害性ナノボディが結合した状態、もしくはリガンドが結合していない状態の構造と類似していた。この他の構造には、「開」状態が1つとリガンド結合状態2つが含まれている。我々は、構造動態、小孔の水和状態、それに自由エネルギープロファイルについて計算論的考察を行い、ゲートの位置での動きと陽イオンの小孔への接近可能性を詳細に明らかにした。まとめると、これらのデータはpLGICのゲート開閉機構についての我々の理解を深め、リガンド結合について、かつてない詳細な知見をもたらすものである。

