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細胞シグナル伝達:SWI/SNF複合体はYAPとTAZの機械調節を受ける阻害因子である

Nature 563, 7730 doi: 10.1038/s41586-018-0658-1

さまざまなヒト悪性腫瘍において、ARID1Aなどの、核内のSWI/SNFタンパク質複合体の構成要素の不活性化が非常に高頻度で起こっていることから、SWI/SNF複合体は腫瘍の抑制において広範な役割を果たしていると考えられる。しかし、その背後にある機構はほとんど解明されていない。今回我々は、ARID1Aを含むSWI/SNF複合体(ARID1A–SWI/SNF)が、発がん促進性の転写コアクチベーターであるYAPおよびTAZの阻害因子として作用することを示す。いくつかの細胞状況で機能喪失と機能獲得の手法を組み合わせて用いることで、YAP/TAZは、細胞増殖、幹細胞様形質の獲得、肝臓の腫瘍発生といった、SWI/SNF複合体の不活性化の影響を誘導するのに必要だと分かった。YAP/TAZはSWI/SNFと複合体を形成すること、またこの相互作用はARID1Aが仲介し、YAP/TAZとDNA結合プラットフォームであるTEADとの結合との間で選択されることが突き止められた。細胞のメカノトランスダクションはARID1A–SWI/SNFとYAP/TAZの間の結合を調節する。機械シグナル伝達が低い細胞では、ARID1A–SWI/SNFとYAP/TAZとの抑制性相互作用が支配的であり、この場合にARID1Aを喪失させるとYAP/TAZとTEADの間の結合が回復する。機械ストレスが高いと、核内のFアクチンがARID1A–SWI/SNFに結合することでTEADとYAP/TAZの間の結合が有利になり、ARID1A–SWI/SNF–YAP/TAZ複合体の形成が阻止される。我々は、YAP/TAZ応答が完全に可能になるためには二重の必要条件が満たされなければならないと提案する。例えば、Hippoシグナル伝達の喪失によるYAP/TAZの核内蓄積の促進と、遺伝学的な不活性化を介して、あるいは細胞の力学的性質の上昇のために起こり得るARID1A–SWI/SNFの抑制である。今回の研究は、組織レベルで出現する機械シグナルが、遺伝子病変と共にYAP/TAZを活性化して細胞の可塑性や腫瘍発生を誘導する分子的な枠組みを示している。

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