天文学:隠された合体を伴う、降着を受けている明るいブラックホールの種族
Nature 563, 7730 doi: 10.1038/s41586-018-0652-7
銀河の大規模な合体は、超大質量ブラックホールの成長を促進する上で重要な役割を果たすと考えられている。しかし、観測の結果には、この仮説を裏付けるものとそうでないものが混在しており、合体する銀河と明るいクエーサーの間の相関を示す研究もあれば、関連性がないことを示すものもある。最近の観測からは、2つの銀河が大きく離れている(5~40キロパーセク)場合には、それらの合体で駆動されるガスと塵によって、合体の初期の段階であってもブラックホールが強く遮蔽される可能性があることが示されている。さらに合体のシミュレーションからは、2つの銀河核が近接している(3キロパーセク未満)場合には、そのような遮蔽とブラックホールの降着が合体の最終段階で最大になることが示唆されている。この最終段階を解像するには、高空間分解能の赤外撮像と高感度の硬X線観測を組み合わせて、強く遮蔽された放射源を検出する必要がある。一方で最近、降着を受けている遮蔽された明るい超大質量ブラックホールが、X線観測によって近傍(距離が250メガパーセク以下)で多数発見されている。本論文では、硬X線で選択されたブラックホールの高分解能赤外観測の結果と、超大質量ブラックホールの合体の親種族である、銀河核の遮蔽された合体の発見について報告する。遮蔽された明るいブラックホール(全放射光度が2 × 1044 erg s−1以上)は、恒星質量や星形成率が同程度の不活発な銀河のサンプルのもの(1.1%)と比べて、後期の銀河核合体が有意(P < 0.001)に過剰(17.6%)であることが明らかになり、これは理論的な予測と一致する。我々は、流体力学的なシミュレーションを用いて、合体の最終段階では、遮蔽された明るいブラックホールのガスに富んだ大規模合体のホスト銀河において、銀河核の合体が実際に最も過剰であることを確認した。

