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神経科学:発声行動の文化伝達を可能にする中脳皮質系ドーパミン回路

Nature 563, 7729 doi: 10.1038/s41586-018-0636-7

行動の文化伝達は、生徒が適切な教師のみを模倣することで可能になっている。しかし、生徒の脳がどのようにして適切な教師を見つけ、その行動を符号化するのかは、ほとんど解明されていない。幼いキンカチョウは、身近な成鳥を教師(チューター)としてそのさえずりを容易にまねるが、スピーカー越しに聞かされたさえずりはまねないことから、チューターが発する社会的手掛かりがさえずりの模倣を促進していることが示唆される。今回我々は、幼いキンカチョウの中脳水道周囲灰白質のニューロンが、チューターのさえずりによって選択的に興奮し、さえずりをつかさどる皮質の神経核HVCでドーパミンを放出することによって、チューターのさえずり表現の符号化を助け、発声の模倣を可能にすることを明らかにする。チューターのさえずりを聞いているときに幼鳥のHVCでドーパミンシグナル伝達を阻害すると、その模倣が阻害されたのに対し、HVCで中脳水道周囲灰白質ニューロンの末端を刺激すると、スピーカー越しに聞いたさえずりでも模倣した。チューターのさえずりを聞くと、それが引き金となって幼鳥のHVCでそのさえずりに対する応答が急速に現れ、幼鳥のさえずりの複雑さが増すという模倣の初期の兆候が見られた。これらの知見から、中脳から皮質へ投射するドーパミン作動性ニューロンは、チューターの存在を検出し、そのさえずりの符号化を助けることで、発声行動の文化伝達を促進することが明らかになった。

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