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生化学:代謝産物によって引き起こされるタンパク質修飾が解糖とKEAP1–NRF2シグナル伝達とを統合する
Nature 562, 7728 doi: 10.1038/s41586-018-0622-0
細胞の恒常性を維持するには、細胞の代謝状態を調節経路と統合する機構が不可欠である。本来的に反応性を持った内因性の代謝産物は、酵素の助けがなくてもタンパク質に対して機能的な共有結合性修飾を施すことが可能で、代謝や転写といった細胞の機能を調節する。特定の代謝情報を捉え、それを適切な応答へと変換する重要な「センサー」タンパク質の1つが、KEAP1である。KEAP1は複数の反応性システイン残基を含み、これらが共同して求電子試薬センサーとして働き、内因性分子や生体異物分子から生じた反応種に応答するよう調整されている。KEAP1に共有結合性修飾が起こるとユビキチン化が抑えられてNRF2が蓄積し、それによって抗酸化剤応答配列座位にある細胞保護に関わる遺伝子群の転写が開始する。今回我々は、解糖系酵素PGK1を阻害する小分子を見いだし、解糖とNRF2シグナル伝達との直接的な結び付きを明らかにした。PGK1を阻害すると反応性の代謝産物メチルグリオキサールが蓄積し、これがKEAP1を選択的に修飾して、近接したシステイン残基とアルギニン残基の間にメチルイミダゾール架橋(MICA)を形成する。この翻訳後修飾の結果、KEAP1の二量体化、NRF2の蓄積、NRF2転写プログラムの活性化が引き起こされる。これらの結果から、解糖とKEAP1–NRF2転写軸との間に直接的な経路間情報交換が存在することが分かり、細胞のストレス応答の代謝調節についての手掛かりが得られた。いくつかのヒト疾患では、細胞保護効果のある抗酸化剤応答を制御するという治療戦略が考えられる。

