Article

生化学:p300アセチルトランスフェラーゼは転写因子の二量体化によって活性化される

Nature 562, 7728 doi: 10.1038/s41586-018-0621-1

転写コアクチベーターp300はヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)で、通常は転写エンハンサーの所へと誘導され、クロマチンをアセチル化することで遺伝子発現を調節する。今回我々は、p300の活性化が、リガンドである転写因子の活性化とオリゴマー化の状態に直接依存していることを示す。2種類のモデル転写因子IRF3とSTAT1を使って、p300の自己阻害性ループ(本来的に無秩序な構造で、リシンを多く含み、よく保存されている)が、転写因子の二量体化によってトランス自己アセチル化されるようになり、その結果p300の活性化が起こることが明らかになった。さらに我々は、自己阻害性ループが隣接する分子のHATドメイン中の活性部位に入り込んだ状態のp300の結晶構造を解き、トランス自己アセチル化反応中間体の構造を明らかにした。活性部位への基質の接近には、自己阻害性RINGドメインの再編成が関わっている。これらのデータは、細胞でのシグナル伝達と転写因子の活性化および二量体化がp300の活性化を制御する仕組みを明らかにしたものであり、これによって遺伝子の転写がクロマチンアセチル化と関連している理由が説明される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度