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免疫学:IRE1α–XBP1はミトコンドリア活性を調節することによって卵巣がんにおけるT細胞機能を制御する

Nature 562, 7727 doi: 10.1038/s41586-018-0597-x

腫瘍は、T細胞の代謝とエフェクター機能を乱す好ましくない微小環境を作り出すことによって免疫制御を回避する。しかし、腫瘍内T細胞がどのように複数の代謝ストレスシグナルを統合し、解釈するのかは明らかになっていない。今回我々は、標準治療や現在の免疫療法に不応性な、アグレッシブな悪性腫瘍の一種である卵巣がんが、T細胞において小胞体ストレスを誘導し、UPR(unfolded protein response)のIRE1α–XBP1経路を活性化して、T細胞のミトコンドリア呼吸と抗腫瘍機能を制御することを報告する。卵巣がん患者から集めた検体から単離したT細胞において、XBP1の発現上昇は、腫瘍内へのT細胞浸潤の低下およびIFNG mRNAの発現低下と関連していた。卵巣がん患者から得た悪性腹水は、T細胞においてグルコースの取り込みが阻害されてN結合型タンパク質糖鎖修飾の障害が生じており、これがミトコンドリア活性とIFNγ産生を抑制するIRE1α–XBP1活性化を誘導した。機構としては、XBP1の誘導はグルタミン輸送体の存在量を調節し、それゆえグルコース欠乏状況下のT細胞においてミトコンドリア呼吸を維持するために必要なグルタミンの流入を制限した。N結合型のタンパク質糖鎖修飾の回復、IRE1α–XBP1活性化の阻止、もしくはグルタミン輸送体の強制発現は、卵巣がんの腹水に曝露したヒトT細胞におけるミトコンドリア呼吸を増強した。転移性卵巣がん環境におけるXBP1欠損T細胞は、全体的な転写再プログラム化を示し、エフェクター能が改善された。従って、卵巣がんを有し、T細胞選択的にXBP1を欠損したマウスでは、抗腫瘍免疫がより優れていて、悪性プログレッションが遅延し、全生存期間が延長することが実証された。小胞体ストレスの制御やIRE1α–XBP1シグナル伝達の標的化は、がんの宿主においてT細胞の代謝適応度と抗腫瘍能を回復させるのに役立つと考えられる。

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