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がん:細胞のアイデンティティーの転換により残存BCCはヘッジホッグ経路の阻害を生き延びられる

Nature 562, 7727 doi: 10.1038/s41586-018-0596-y

ヘッジホッグ経路の阻害剤は、基底細胞がん(BCC)の治療に有効だが、一部の患者ではがんが残存して、治療を中止したときの再発の一因になる可能性がある。今回我々は、Smoothened阻害剤であるビスモデギブの腫瘍クリアランスに対する影響を調べるために、BCCのPtch1Trp53マウスモデルを使い、ビスモデギブを投与したマウスには静止状態の残存腫瘍が存在し、治療を中止するとこれが再び増殖することを明らかにした。プロファイリング実験により、残存BCCでは毛包間表皮と峡部の幹細胞の転写プログラムに非常によく似た転写プログラムが開始されるのに対し、未治療のBCCは毛包バルジの幹細胞の転写プログラムによく似ていることが分かった。このような細胞のアイデンティティーの転換が可能になるのは、大半のクロマチンが転写許容的な状態にあり、それと同時にWnt経路の急激な活性化とスーパーエンハンサーの再プログラム化によって、細胞のアイデンティティーに関係する重要な転写因子群の活性化が進行するためである。その結果、BCCにビスモデギブとWnt経路の阻害剤の両方を投与すると、残存腫瘍量が減少し、分化が促進された。これらの結果から、腫瘍細胞が、生存のために本来の発がんドライバーに依存しないような別のアイデンティティーへと転換することで治療効果を免れるという、抵抗性機構が明らかになった。

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