材料科学:集光型太陽熱発電所の熱交換器向けのセラミック–金属複合材料
Nature 562, 7727 doi: 10.1038/s41586-018-0593-1
集光型太陽熱発電所[ミラーやレンズを用いて太陽光を集光して熱機関(通常はタービン)を駆動する]を用いた熱発電の効率は、タービン入口温度を高くして稼働させることによってかなり向上する可能性があるが、それには熱交換器材料の改良が必要であると思われる。入口温度が823 K未満の従来型サイクル(亜臨界蒸気ランキンサイクルなど)の代わりに、密閉型高圧超臨界二酸化炭素(sCO2)再圧縮サイクルを用いて1023 Kを超える入口温度でタービンを動作させることによって、熱から電気への相対変換効率が20%以上向上する可能性がある。結果として集光型太陽熱発電所(熱エネルギー貯蔵を併用)からの出力調整可能な(dispatchable)電力の費用が削減され、化石燃料発電所との直接競争と温室効果ガスの大幅削減への重要な一歩となると思われる。しかし、密閉型高圧sCO2タービンシステムの入口温度は、sCO2への熱伝導に用いられる小型の金属合金系プリント回路熱交換器の熱機械的性能によって制限される。今回我々は、1023 Kを超える温度でプリント回路熱交換器に使用することを目的とした、セラミック(炭化ジルコニウム、ZrC)と耐熱性金属(タングステン、W)からなるロバストな複合材料について報告する。この複合材料は、高温において魅力的な熱的・機械的・化学的特性を示し、費用効果の高い方法で加工できる。我々は、多孔性炭化タングステンプレートを形状とサイズを維持して化学変換することによって、チャネルパターンを調節できるプレート型ZrC/W系熱交換器を作製した。この高密度ZrC/W複合材料は、1073 Kで350 MPaを超える破損強度を示し、同じ温度での熱伝導率は鉄系合金やニッケル系合金の2~3倍であった。この複合材料の表面に銅層を接着し、sCO2に50 ppmの一酸化炭素を加えることによって、1023 K、20 MPaにおいてsCO2に対する耐腐食性が実現された。技術経済分析の結果から、ZrC/W系熱交換器の性能が、より低い費用でニッケル超合金系プリント回路熱交換器の性能を大きく上回る可能性が示された。

