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構造生物学:細菌外膜アッシャータンパク質FimDで見られる伸長中の線毛の引き渡し機構

Nature 562, 7727 doi: 10.1038/s41586-018-0587-z

大腸菌(Escherichia coli)のような病原性細菌の表面には、線毛(pilusまたはfimbria)と呼ばれる構造が組み立てられていて、宿主細胞受容体への結合に関わっている。1型線毛は、保存されたシャペロン–アッシャー経路を介して集合する。外膜のアッシャータンパク質であるFimDは、シャペロンFimCと結合した線毛サブユニットを、このアッシャーのペリプラズム側にあるN末端ドメインを介して集める。アッシャーのβバレルチャネルを通るサブユニット輸送は、このタンパク質の2つのC末端ドメイン(ここではCTD1、CTD2とする)で起こる。N末端ドメインに結合したシャペロン–サブユニット複合体が2つのC末端ドメインに引き渡される仕組みは、伸長中の線毛へのサブユニット重合のタイミングと共に、これまで不明であった。今回我々はクライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、線毛集合中間体の1つ(FimD–FimC–FimF–FimG–FimH)について、FimDが伸長中の線毛のシャペロンに結合した末端をC末端ドメインへと引き渡す過程にある際のコンホメーションを捉えた。この構造では、FimFはすでにFimGと重合し、FimDのN末端ドメインがCTD2と結合するように向きを変えている。つまり、N末端ドメインはFimC–FimFとの接触を維持するのと同時に、C末端ドメインとも接触できる状態にある。FimDは、N末端ドメインに至る手前に、本来的に無秩序な構造のN末端尾部を持っている。このN末端尾部は、FimCサブユニット複合体の結合に際してはヘリックスモチーフを作るように折りたたまれるが、C末端への引き渡しの間はCTD2を結合するためにループへと再構成される。FimDのN末端とC末端ドメインの両方が伸長中の線毛の末端に結合していることから、この構造はさらに、非常に多数のサブユニットを組み込む間に線毛繊維が散らばってしまうのを防止するために集合中間体を安定化する機構の存在をも示唆している。

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