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生物工学:RNAから獲得したCRISPRスペーサーによる転写の記録

Nature 562, 7727 doi: 10.1038/s41586-018-0569-1

1つの細胞内の転写事象を経時的に記録することができれば、分子事象が細胞の複雑な挙動や状態を生じさせる仕組みの解明に役立つと考えられる。しかし、現在の分子的記録技術で捕捉できるのは、特定のわずかな刺激のみである。今回我々は、CRISPRスペーサーの獲得を用いて、細胞内RNAをDNAに変換して、DNAを基盤とした転写情報の保存を可能にしたことを示す。大腸菌(Escherichia coli)では、RNAウイルスあるいは任意のRNA塩基配列などの特定の刺激に加え、酸化ストレスなどの複雑な刺激も、細胞集団内に保存される定量可能な転写記録になることが分かった。我々は、転写記録によって細胞の複雑な挙動を分類および記述でき、また、異なる細胞応答を調整する遺伝子を正確に特定できることを実証する。将来、CRISPRスペーサーの獲得によるRNAの記録後の高深度塩基配列解読(Record–seq)を用いて、細胞の複雑な挙動や病的状態を記述する転写履歴を再構築できるようになるかもしれない。

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