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材料科学:モルフォトロピック相境界に似た挙動を示す強誘電性ポリマー

Nature 562, 7725 doi: 10.1038/s41586-018-0550-z

機械的エネルギーと電気的エネルギーを直接相互変換する圧電性は、強誘電材料のモルフォトロピック相境界において著しく増強されることが多い。モルフォトロピック相境界は、圧電材料の相図の遷移領域を表し、対称性が異なる2つの競合相をつないでいる。そうした圧電性の増強によって、アクチュエーター、トランスデューサー、センサー、環境発電向けに優れた圧電特性を示すさまざまな圧電性鉛ペロブスカイトや鉛フリーペロブスカイトの最近の発展が可能になった。しかし、モルフォトロピック相境界は有機材料では観察されておらず、ポリマーの固有の圧電応答を向上させる効果的な方法がないため、フレキシブルデバイスやウエアラブルデバイス、生体適合性デバイスへのポリマーの適用が大きく阻まれている。本論文では、強誘電性のポリ(フッ化ビニリデン-co-トリフロロエチレン)(P(VDF-TrFE))共重合体において、ペロブスカイトのモルフォトロピック相境界で観察されたものと類似した挙動が立体化学的に誘起されたことを報告する。我々は、組成調節して得た立体規則性(TrFEモノマーに関係するキラル中心の立体化学的配置)によって結晶相における分子内秩序–無秩序変化が起こるため、モルフォトロピック相境界に似た中間遷移領域が生じ、競合する強誘電特性とリラクサー特性が同時に現れることを明らかにする。第一原理計算によって、トランス平面相と3/1らせん相との構造的競合を経てこの遷移領域の形成が駆動されるのに、鎖の立体規則性が重要な役割を果たすことが確認された。我々は、モルフォトロピック組成を持つP(VDF-TrFE)共重合体の縦方向圧電係数が−63.5 pC N−1であり、最先端の圧電性ポリマーよりも優れていることを示す。有機強誘電材料の分子設計や合成の融通性を考えると、今回の研究は、スケーラブルな高性能圧電性ポリマーの開発への道を開くものである。

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