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構造生物学:停止した転写複合体Pol II–DSIF–NELFの構造
Nature 560, 7720 doi: 10.1038/s41586-018-0442-2
後生動物の遺伝子調節には、プロモーターに近い領域でのRNAポリメラーゼII(Pol II)の停止が関わっていることが多い。停止したPol IIは、DSIF(DRB sensitivity-inducing factor)とNELF(negative elongation factor)というタンパク質複合体によって安定化される。今回我々は、ブタ(Sus scrofa)のPol IIとヒト(Homo sapiens)のDSIFおよびNELFを含む、停止した転写伸長複合体の3.2 Å分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告する。この構造から、傾いたDNA–RNAハイブリッドが明らかになった。これが基質であるヌクレオシド三リン酸の結合を妨げる。NELFはポリメラーゼの漏斗状のくぼみに結合し、可動性の2個のポリメラーゼモジュールを架橋し、引き金として働くループに接触することで、停止を解除するのに必要なPol IIの可動性を制限している。NELFはまた、停止に拮抗する転写伸長因子IIS(TFIIS)の結合を妨げる。その上、NELFには柔軟性のある2本の「触手」があって、これがDSIFや核外に出て行くRNAと接触することができる。これらの結果は、Pol IIの停止状態を明らかにし、プロモーター近傍領域での遺伝子調節にNELFが果たす役割を理解するための分子基盤を提供するものである。

