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地球化学:キセノン同位体によるマントルへの揮発性物質循環の歴史の絞り込み

Nature 560, 7717 doi: 10.1038/s41586-018-0388-4

地球表面の居住可能性は、地球の深部と表層の貯蔵庫の間での長期にわたる揮発性化学種(水、炭素、窒素、希ガスなど)の交換によって支配されている。現在のマントルの揮発性物質収支は、脱ガスと、集積時に地球に輸送された始原的揮発性物質、放射性壊変による内部成長によって生成された揮発性化学種、地表の貯蔵庫から時間をかけてマントル内部へ輸送された揮発性物質の保持の総合的な歴史を反映している。地球の深部と表層の貯蔵庫の間の揮発性物質の分布の変動は、固体地球の粘性率、冷却率、対流による応力状態に影響を及ぼす。従って、地球深部へ輸送される表層の揮発性物質のフラックスを絞り込めれば、マントル対流とプレートテクトニクスに対する理解が深まる。しかし、表層の揮発性物質がマントルへ再吸収された歴史はよく分かっていない。今回我々は、マントルのキセノン同位体システマティクスを用いて、揮発性物質の地球深部への再吸収が始まった年代を絞り込んだ。大気中のキセノン同位体組成の進化が長く続いたことを示す証拠を考慮すると、地球深部への大気中キセノンの実質的な循環は25億年前以前には起こり得なかったことが見いだされた。下降流のキセノンの濃度は、始生代を通して周囲の対流するマントルと比べて低いままであり、マントルが正味の脱ガス状態から正味の再吸収状態に移行したのは25億年前以降であった。キセノンは水を含む鉱物相によって地球内部へ輸送されるので、今回の結果は、始生代の下降流が現在よりも乾燥していたことを示している。始生代のマントルの漸進的な乾燥化によって、対流速度は遅くなり、マントル外部への熱輸送が減少したと思われ、地球内部の熱的進化が単調ではなかったことが示唆された。

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