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免疫学:ヒトにおいてミトコンドリアニ本鎖RNAは抗ウイルスシグナル伝達を開始させる
Nature 560, 7717 doi: 10.1038/s41586-018-0363-0
ミトコンドリアは、細胞内共生細菌の末裔であり、コンパクトな環状ゲノムなど、原核生物の本質的な特徴を残している。そのため哺乳類では、ミトコンドリアDNAは双方向性の転写を受けて、重複する転写産物を作り出し、それらが長い二本鎖RNA構造を形成できる。しかし、我々が知る限り、ミトコンドリア二本鎖RNAのin vivoでの特徴は、これまでに明らかにされていない。今回我々は、非常に不安定で固有のミトコンドリア二本鎖RNA種が存在することを単一細胞レベルで示し、デグラドソームの構成要素であるミトコンドリアRNAヘリカーゼのSUV3やポリヌクレオチドホスホリラーゼのPNPアーゼが、ミトコンドリア二本鎖RNAのレベルを制限する際に担っている重要な役割を明らかにする。どちらかの酵素を喪失すると、ミトコンドリア二本鎖RNAが大量に蓄積してPNPアーゼ依存的に細胞質に流出する。この過程は、MDA5駆動型の抗ウイルスシグナル伝達経路に働き掛けてI型インターフェロン応答を開始させる。これらのデータと一致して、PNPアーゼをコードするPNPT1遺伝子のハイポモルフ変異を持つ患者では、ミトコンドリア二本鎖RNAの蓄積と、インターフェロン誘導遺伝子群や他の免疫活性化マーカーの発現上昇が見られた。PNPアーゼは、ミトコンドリアの膜間腔やマトリックスに局在することから、ミトコンドリア二本鎖RNAの形成および細胞質への放出を防ぐという二重の役割を持つと考えられる。これは次に、微生物やウイルスの攻撃から脊椎動物を保護するように進化した強力な自然免疫による防御機構の活性化を防止する。

