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分子生物学:AMPKによるTET2のグルコース調節性のリン酸化により明らかになった糖尿病とがんをつなぐ経路

Nature 559, 7715 doi: 10.1038/s41586-018-0350-5

糖尿病は複雑な代謝性症候群で、高血糖が長期間続くことを特徴とし、生死に関わる合併症と結び付くことも多い。疫学研究では、糖尿病はがんのリスクの上昇とも関連することが示唆されている。高いグルコースレベルが、糖尿病とがんとのつながりに関与する有力な要因である可能性があるが、このつながりの分子基盤や、高グルコース状態ががん表現型をもたらす遺伝的および/あるいはエピジェネティックな変化を駆動し得る仕組みについてはほとんど分かっていない。今回我々は、高血糖状態が、DNAの5-ヒドロキシメチロームに有害な影響をもたらすことを明らかにする。腫瘍抑制因子TET2はAMP活性化キナーゼ(AMPK)の基質であり、AMPKはTET2のセリン99をリン酸化することでTET2を安定化する。グルコースレベルの上昇は、AMPKを介したセリン99のリン酸化を阻害してTET2の不安定化を引き起こし、in vitroおよびin vivoにおいて、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)とTET2の腫瘍抑制機能の両方の調節異常につながる。抗糖尿病薬メトホルミンの投与は、AMPKを介したセリン99のリン酸化を保護することで、TET2を安定化して5hmCレベルを上昇させる。これらの知見は、TET2の安定化を調節する新規の「リン酸化スイッチ」と、グルコースとAMPKをTET2と5hmCに関連付けて糖尿病をがんに結び付ける調節経路を明らかにするものである。また我々のデータから、メトホルミンが腫瘍抑制を仲介するエピジェネティック経路も解明された。従って、この研究は、有害な環境がエピゲノムを発がん性状態へと直接的に再プログラム化する仕組みについての新たなモデルを示し、がんの予防と治療の有望な戦略を提示している。

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