Letter

気候科学:土壌の深さの関数としての大気から土壌への炭素輸送

Nature 559, 7715 doi: 10.1038/s41586-018-0328-3

土壌有機炭素(SOC)と大気の間の炭素交換は気候に影響を及ぼし、また、有機物は土壌の肥沃度に重要であるため農業生産性に影響を及ぼす。表土炭素のダイナミクスは比較的よく定量化されているが、土壌炭素の半分はより深い土壌層(30 cm以深)に存在し、この深部炭素と大気の間の交換に関しては多くの疑問が残っている。こうした知識の空白が、土壌炭素の管理政策に制約を与え、全球炭素モデルを限定的なものにしている。今回我々は、さまざまな気候帯にまたがる112か所の草原、森林、農耕地における安定炭素同位体の特徴の1965~2015年の変化をメタ分析することにより、最近取り込まれた大気由来炭素原子を全土壌断面に定量化した。その結果、地表から30~100 cmの深さの土壌(下層土)に、最上部1 mのSOC貯蔵量の平均47%が含まれていることが見いだされた。これは、これまでの研究の結果と一致する。しかし、この下層土に含まれる炭素は、最近(過去50年以内に)最上部1 mに取り込まれたSOCの19%であった。全球では、最近無機質土壌に取り込まれた炭素の深さの中央値は10 cmである。深部土壌層への炭素の相対的な分配の変動は、年平均気温より乾燥指数によってよりよく説明できる。作物のための土地利用は、土壌表層への炭素の取り込みを減少させるが、より深部の層への取り込みは減少しない。今回の結果は、SOCのダイナミクスと気候制御や土地利用に対するSOCの応答は、土壌の深さに強く依存することを示唆している。我々は、今回のデータで検証された多層土壌モジュールを全球炭素モデルに用いることが、土壌と大気の間の炭素交換に対する理解を深めるのに役立つと提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度