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がん:コドン特異的翻訳の再プログラム化は標的治療への抵抗性を促進する
Nature 558, 7711 doi: 10.1038/s41586-018-0243-7
mRNA翻訳の再プログラム化は、がんの発生と薬剤抵抗性において主要な役割を担っている。しかし、この過程に関わる分子機構については、ほとんど分かっていない。tRNAのゆらぎ修飾は、翻訳中の特定のコドン解読に必要とされる。今回我々は、ヒトにおいて、tRNAのゆらぎウリジン34(U34)修飾を触媒する酵素群(U34酵素群)が、黒色腫においてBRAFV600Eがん遺伝子による形質転換や標的治療に対する抵抗性により誘導されるタンパク質合成の再配線に関わる主要な因子であることを示す。BRAFV600Eを発現する黒色腫細胞の生存は、U34酵素群に依存しており、MAPKシグナル伝達と、ELP3あるいはCTU1および/あるいはCTU2の同時抑制が、黒色腫細胞の死滅に相乗的に働くことが分かった。MAPK治療薬に対する抵抗性獲得で最も一般的な機構の1つであるPI3Kシグナル伝達経路の活性化は、U34酵素群の発現を顕著に上昇させた。機構的には、U34酵素群は、コドン依存的にHIF1A mRNAの翻訳を直接的に調節し、HIF1αタンパク質を高レベルに維持することにより、黒色腫細胞の解糖を促進する。従って、抗BRAF治療に対する抵抗性獲得は、高レベルのU34酵素群とHIF1αと関連している。以上の結果から、U34酵素群は、特定のmRNA翻訳の調節により黒色腫細胞の生存と治療に対する抵抗性を促進することが明らかになった。

