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細胞生物学:EMI1がAPC/CCDH1の基質から阻害因子に切り替わることで細胞周期が開始する

Nature 558, 7709 doi: 10.1038/s41586-018-0199-7

哺乳類細胞は、G1期が終わる前にマイトジェンとストレスのシグナル伝達を統合して、細胞周期に進入するか否かを決定する。細胞はS期にDNA複製を行うことができるが、その前にサイクリン依存性キナーゼ(CDK)群の活性化、E2F転写プログラムの誘導、分裂後期促進複合体(APC/CCDH1、別名サイクロソーム)の不活性化を行わなければならない。APC/CCDH1はE3ユビキチンリガーゼで、コアクチベーターであるCDH1(別名FZR、FZR1にコードされる)を含んでいる。最近、CDK2活性化やE2F誘導の後に、ストレスによって細胞が静止状態に戻ることがあるが、APC/CCDH1の不活性化後には戻らないことが示され、このことからAPC/CCDH1の不活性化が細胞周期進入の後戻りできない点であると考えられる。APC/CCDH1の迅速な不活性化にはEMI1(early mitotic inhibitor 1)が必要だが、この細胞周期の拘束段階を制御する分子機構は分かっていない。今回我々は、ヒトの細胞モデルを用いて、細胞周期の拘束がEMI1–APC/CCDH1の二重の負のフィードバックスイッチによって仲介されること、また、そのスイッチではEMI1がAPC/CCDH1の基質でもあり阻害因子でもあることを示す。この不活性化スイッチは、G1期のEMI1レベルが低くてAPC/CCDH1活性が高い状態と、S期やG2期のEMI1レベルが高くてAPC/CCDH1活性が低い状態の間の移行を引き起こす。細胞を基盤とした解析、in vitroでの再構築、モデル化データから、この基礎となる二重の負のフィードバックは双安定であり、ロバストな不可逆スイッチであることが示された。我々の研究から、哺乳類細胞の細胞周期の拘束は、CDK2活性とEMI1 mRNA発現の増加によって、一方向性のAPC/CCDH1不活性化スイッチを開始させることで起こり、このスイッチはEMI1がAPC/CCDH1の基質として働くことからAPC/CCDH1の阻害因子へと移行することで仲介されていることが示唆された。

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