化学:白金表面における部位特異的な一酸化炭素の酸化の速度分解カイネティクス
Nature 558, 7709 doi: 10.1038/s41586-018-0188-x
触媒は、反応速度を増大させるのに広く用いられている。触媒は、その原子配置から好ましい相互作用が確実に生じる触媒活性部位において、反応の遷移状態を安定化することによって機能する。しかし、触媒に複数の活性部位(無機ナノ粒子のステップ端や最密充填テラスに伴う活性部位など)があり、それらの活性が個別に同時測定できない場合には、機構的な理解が制約されることが多い。その一例に、最も古く最もよく研究されている不均一反応の1つである白金表面上での一酸化炭素の酸化がある。この反応は、1824年にデービーの安全灯の機能に不可欠であると認識され、今では燃焼、水素生成、燃料電池の動作の最適化に用いられている。二酸化炭素生成物は、二峰性運動エネルギー分布において形成される。しかし、広範な研究にもかかわらず、これが複数の活性部位において2つ以上の反応機構で反応が生じていることを反映しているのかどうかは明らかでない。今回我々は、分子ビームを用いて反応物を制御して導入し、スライスイオンイメージングを用いて活性部位の対称性と方向性を反映する生成物分子の速度ベクトルをマッピングすることにより、異なる活性部位の反応速度を同時に測定できることを示す。我々は、この速度分解カイネティクスによる手法を用いて白金表面のステップ端とテラス部位における一酸化炭素の酸化速度をマッピングし、2つの異なるチャネルを通して反応が進むことを見いだした。つまり、低温ではより活性の高いステップ部位が支配的で、高温ではより豊富に存在するテラス部位が支配的だった。我々は、今回の手法が幅広い不均一反応に適用可能であり、さまざまな活性部位の寄与に関する機構的理解を深めると予想する。こうした理解は、改良型触媒の設計に役立つはずである。

