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腫瘍免疫学:ヒト腫瘍浸潤細胞群中に多数存在し、独特の表現型を持つバイスタンダーCD8+ T細胞

Nature 557, 7706 doi: 10.1038/s41586-018-0130-2

チェックポイント阻害免疫療法などのさまざまな形態の免疫療法は、T細胞が媒介する免疫応答の回復に有効であることが実証されつつあり、こうした応答は顕著で持続的な臨床応答につながることもあるが、それは一部の患者や特定の種類のがんに限られている。患者および腫瘍の免疫療法に対する応答は予測不能なことがあり、その一因は個々の腫瘍内、また患者間で免疫組成や腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の表現型プロファイルが不均一なことである。腫瘍の制御には、腫瘍細胞の変異に由来するネオアンチゲン特異的なT細胞が役割を果たしていることを示す証拠はあるが、ほとんどの場合、表現型が多様な腫瘍浸潤T細胞の抗原特異性はおおむね知られていない。今回我々は、ヒト肺がんおよび大腸がんのCD8+ TILが、腫瘍抗原(例えばネオアンチゲン)に対して特異的となり得るだけでなく、がんとは無関係な広範囲にわたるエピトープ(エプスタイン・バーウイルス、ヒトサイトメガロウイルスやインフルエンザウイルスなど)も認識できることを示す。このようなバイスタンダーCD8+ TILは腫瘍特異的細胞と重複する多様な表現型を持つが、CD39発現を欠いていることが分かった。大腸および肺の腫瘍では、CD8+ TILでCD39が存在しないことが、バイスタンダー細胞として分類されることの裏付けとなり、腫瘍部位での慢性的な抗原刺激の特徴を欠く細胞集団と判別される。CD39の発現には患者間で顕著なばらつきがあり、一部の患者ではTILの大部分がCD39 CD8+ TILであった。さらに、CD8+ TIL中でのCD39発現の頻度は、肺腫瘍での上皮増殖因子受容体の変異状態などの複数の重要な臨床パラメーターと相関していた。我々の結果は、腫瘍浸潤T細胞は全てが腫瘍抗原特異的ではないことを明らかにしており、CD39発現の測定がバイスタンダーT細胞の定量あるいは単離のための簡単な方法となり得ることを示唆している。

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