Letter
天文学:雲の無い系外惑星「ホットサターン」のナトリウム絶対存在量
Nature 557, 7706 doi: 10.1038/s41586-018-0101-7
ナトリウム(Na Ⅰ)やカリウム(K Ⅰ)の共鳴二重線などのアルカリ金属の幅広い吸収線の特徴は、輻射を受けた雲の無い巨大ガス系外惑星の大気可視光スペクトルに見られると長い間予想されていた。しかし、これまでの観測で得られているのはこうした特徴の狭い中央部のみであり、圧力で広がった完全なプロファイルは得られていない。惑星の昼夜境界線での雲やもやによる不透明度が、吸収線翼部を覆い隠している原因と考えられており、大気の絶対量を絞り込むのを妨げている。本論文では、超大型望遠鏡によって得られた系外惑星WASP-96b「ホットサターン」の可視光域の透過スペクトルを報告する。このスペクトルは、ナトリウムの吸収線特性において圧力により広がった完全なプロファイルを示している。このスペクトルは、化学平衡を仮定した雲の無い太陽組成モデルと非常によく一致している。我々は、正確なナトリウムの絶対存在量をlogNa = 6.9 +0.6−0.4と測定し、これを惑星大気の金属量の代理指標として使い、太陽の金属量との比をZp/Z⊙ = 2.3 +8.9−1.7と算出した。この結果は、太陽系の惑星や系外惑星に観測されている質量と金属量の間の関係と矛盾しない。

