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構造生物学:ヒトINO80–ヌクレオソーム複合体の構造と調節

Nature 556, 7701 doi: 10.1038/s41586-018-0021-6

転写や複製、修復などの細胞内で起こるさまざまな過程では、ヌクレオソーム内のDNAへ接近しなければならない。そのため、細胞にはヌクレオソームのリモデリングを行う複数の系が備わっている。このような複合体は、1個から数個のタンパク質サブユニットからなる単純なものだったり、多数のサブユニットからなるもっと複雑な装置だったりする。生化学研究によって、いくつかのクロマチンリモデリング複合体のモータードメインが、ヌクレオソームの超らせん部位(SHL)2周辺に位置することが分かっている。クロマチン構造をリモデリングする能力を持つ複合体(RSC)のサブユニットである酵母Chd1やSnf2がヌクレオソームと複合体を形成した状態の構造研究からは、これらの複合体によって行われるヌクレオソームのすべり移動の基本機構についての知見が得られている。しかし、INO80のような、もっと大型で多数のサブユニットからなるリモデリング複合体については、ヌクレオソームとの相互作用の仕組みや、ヌクレオソームのすべり移動、ヒストン交換、ヌクレオソームの間隔調整といった機能を果たす仕組みはほとんど解明されていない。一部のリモデリング複合体は単量体として働くが、それ以外は高度に協調のとれた二量体として働く。今回我々は、ヌクレオソームが結合したヒトクロマチンリモデリング複合体INO80の構造を示す。この構造から、INO80がこれまで報告されたことのない様式でヌクレオソームと結合していることが分かった。すなわち、モータードメインはSHL2ではなく、DNAのヌクレオソームに入る側(entry point)に結合しており、それに加えてINO80のARP5–IES6モジュールがヌクレオソームの反対側に接触している。このような配置によって、ヌクレオソームヒストンH3の尾部が、INO80モータードメインの活性を調節する役割を果たすことが可能になる。詳細が解明されている他のリモデリング複合体ではH4尾部がモータードメインを調節することが分かっているが、今回の配置はそれとは異なっている。

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