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構造生物学:胃プロトンポンプの結晶構造
Nature 556, 7700 doi: 10.1038/s41586-018-0003-8
胃プロトンポンプのH+,K+-ATPアーゼは、胃液をpH 1にまで酸性化する働きを担うP型ATPアーゼである。これは、壁細胞膜を隔てた百万倍のプロトン濃度勾配に対応し、哺乳類組織で知られる最も急峻な陽イオン勾配である。H+,K+-ATPアーゼは、胃酸に関係する病気を治療する薬剤の重要な標的である。今回我々は、2つの阻害剤、ボノプラザンおよびSCH28080と複合体を形成し、内腔側へ開いた状態にあるH+,K+-ATPアーゼの2.8 Å分解能での結晶構造を示す。2つの薬剤は、結合部位は部分的にオーバーラップしているものの、胃内腔から陽イオン結合部位へつながる経路の中央では明瞭に区別できる結合様式をとっている。この結晶構造から、陽イオン結合部位の密な配置がGlu820のpKa値を低下させ、胃内のpH 1という環境であってもプロトン放出が十分に可能となるようにしていると考えられる。

