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構造生物学:ヒトGATOR1とGATOR1–Rag GTPアーゼ複合体の構造
Nature 556, 7699 doi: 10.1038/nature26158
アミノ酸やグルコースのような栄養素はRag GTPアーゼを介してシグナルを送り、mTORC1を活性化する。GATOR1タンパク質複合体(DEPDC5、NPRL2、NPRL3からなる)は、RAGAに対するGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)として働いて、Rag GTPアーゼを調節する。つまり、GATOR1が失われると、mTORC1シグナル伝達の栄養飢餓に対する感度が下がる。GATOR1の構成成分のアミノ酸配列は他のタンパク質と相同性を持たないため、GATOR1の分子レベルでの機能はまだ明らかになっていない。今回我々は、クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いてGATOR1、およびGATOR1–Rag GTPアーゼ複合体の構造を解いた。GATOR1は中央にくぼみのある伸びた構造をとっていて、NPRL2がDEPDC5とNPRL3を連結し、DEPDC5がRag GTPアーゼヘテロ二量体に接触している。我々が得たGATOR1–Rag GTPアーゼの構造は阻害性であって、Rag GTPアーゼとGATOR1との間には、少なくとも2つの結合様式が存在するはずであることが、生化学解析によって明らかになった。DEPDC5がRAGAと直接結合していると、RAGAによるGTP加水分解のGATOR1を介した促進が妨げられる。一方、RAGAがNPRL2–NPRL3ヘテロ二量体と結合している際の相互作用はもっと弱く、RAGAはGAP活性を発揮できる。これらのデータから、栄養素を感知するmTORC1経路の成分の1つの構造が明らかになり、GAPとその基質であるGTPアーゼの非カノニカルな相互作用が解明された。

