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分子進化学:広いPAM適合性と高いDNA特異性を持つ進化型Cas9バリアント

Nature 556, 7699 doi: 10.1038/nature26155

ゲノム編集や他の用途にCRISPR–Cas9系を用いる際に主な制約となるのは、PAM(protospacer adjacent motif)が標的部位に存在していなければならないことである。最もよく用いられている化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来のCas9(SpCas9)の場合、必要なPAM配列はNGGである。哺乳類細胞で効率的に機能することが知られている天然あるいは改変したCas9バリアントで、NGGよりも制約の緩いPAMを標的とするものはない。今回我々は、ファージ補助型連続的進化(phage-assisted continuous evolution;PACE)により、NG、GAA、GATを含む広範囲のPAM配列を認識できるxCas9(expanded PAM SpCas9 variant)を進化させた。xCas9のPAM適合性は、哺乳類細胞中で活性を示すことが報告されたCas9タンパク質の中では、我々の知る限り最も広く、標的化した転写活性化、ヌクレアーゼによる遺伝子破壊、シチジンやアデニンの塩基編集など、ヒト細胞での応用を後押しする。xCas9は、PAM適合性が拡大されたにもかかわらず、そのDNA特異性はSpCas9よりも非常に高く、全ゲノムにわたるオフターゲット活性は調べた全てのNGG標的部位で大きく低下していたことに加え、非NGG PAMのゲノム部位を標的とした際のオフターゲット活性も最小限であったことは重要である。これらの知見は、CRISPR系のDNA標的の範囲を拡大し、また、Cas9の編集効率、PAM適合性、DNA特異性の間にはトレードオフが必要でないことを立証している。

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