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構造生物学:哺乳類TPC1チャネルの電位とリン脂質による活性化に関する構造からの考察

Nature 556, 7699 doi: 10.1038/nature26139

細胞小器官の二孔型チャネル(TPC)はホモ二量体として機能し、各サブユニットには相同なShaker様6回膜貫通(6-TM)型ドメイン2個が含まれ、直列に並んでいる。TPCは電位依存性イオンチャネルスーパーファミリーに属し、動植物で広く発現されている。哺乳類のTPC1とTPC2はエンドリソソーム膜に局在していて、これらの酸性の細胞小器官の生理機能調節に重要な役割を果たしている。今回我々は、電位依存性でホスファチジルイノシトール 3,5-ビスリン酸(PtdIns(3,5)P2)により活性化されるNa+選択的チャネルであるマウスTPC1(MmTPC1)のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を、閉じたアポ状態とリガンドが結合して開いた状態の両方で明らかにした。この構造と機能解析とを考え合わせることにより、哺乳類TPCチャネルの選択性とゲート開閉機構について、構造に関する総合的知見が得られた。このチャネルには、フィルター領域中に硬貨投入口のような形のイオンの通路があって、哺乳類TPCで見られる選択性を規定している。MmTPC1の電位依存性に関わっているのは、2番目の6-TMドメイン中の電位感知ドメインだけである。エンドリソソーム特異的PtdIns(3,5)P2は1番目の6-TMドメインに結合し、膜電位が脱分極する条件下でチャネルを活性化する。アポ状態の構造とPtdIns(3,5)P2結合状態の構造との比較により、チャネル活性化における電位とリガンドとの相互作用が示された。MmTPC1のこれらの構造から、6-TM電位依存性チャネルでの脂質結合と調節機序が明らかになった。イオンチャネルのホスホイノシチドによる調節の重要性が次第に認められつつあることを考えると、今回の結果は関心を集めるだろう。

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