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天文学:銀河系中心部の1パーセク内にある静穏なX線連星系の密度カスプ領域
Nature 556, 7699 doi: 10.1038/nature25029
超大質量ブラックホール付近における恒星質量ブラックホールの個数が局所的に増加する「密度のカスプ構造」の存在は、銀河の恒星の力学による基本的な予測である。そのようなカスプ領域を検出するのに最適な場所は銀河系中心であり、そこには、我々に最も近い超大質量ブラックホールであるいて座A*が存在する。2万個ものブラックホールは、力学的な摩擦の結果として、銀河系中心の1パーセク内に落ち着くと予測されるが、ブラックホールの密度カスプ領域はこれまで検出されていなかった。恒星質量ブラックホールを含む低質量のX線連星系は、孤立したブラックホールの自然界のトレーサーである。本論文では、いて座A*を中心とした1パーセク以内の密度カスプ領域にある12個の静穏なX線連星の観測について報告する。これらの連星系で我々が観測した低エネルギーの放射スペクトルは、銀河系中心の8パーセク内で支配的な、降着を受けている白色矮星の種族に付随する高エネルギーのスペクトルとははっきり異なっている。これらのX線連星の特性、特に空間分布と光度関数から、銀河系の中心の1パーセクに数百個の連星系とさらに多くの孤立したブラックホールが存在することが示唆された。しかし、観測される放射への、回転によって駆動されるミリ秒パルサー(その数は最大でX線連星の約半分)の種族の寄与は除外できない。連星系の空間分布は、いて座A*を取り巻く恒星円盤における連星系の形成史、あるいは球状星団からの落下を通した形成史の名残であり、中性子星やブラックホールなどの大質量恒星の残骸から重力波をモデル化する際の放射源の数密度を絞り込む。

