Letter

太陽系:原始惑星系円盤と地球や月の構成物質の同位体進化

Nature 555, 7697 doi: 10.1038/nature25990

太陽系天体における核合成同位体元素の変動は、隕石群と岩石惑星(水星、金星、地球、火星)の間の起源的関係を検証するためにしばしば使われており、地球–月系の構成物質に関する知見が得られる可能性もある。この方法を用いて、地球と組成が一致する始原的な隕石はないと推測されているため、地球と月が集積するもととなった原始惑星系円盤の物質はほとんど絞り込まれていない。しかし、この結論は、内部太陽系天体の観測された核合成元素の変動が主に空間的な不均一性を反映しているという前提に基づいている。本論文では、難揮発性元素カルシウムの同位体組成を用いて、内部太陽系の核合成元素の変動が、原始太陽への初期の質量降着に伴う原始惑星系円盤固体の質量非依存カルシウム同位体組成の急速な変化を反映していることを示す。我々は、ベスタ、火星、地球を起源とする試料だけでなくユレイライト隕石やアングライト隕石の母天体を起源とする試料の質量非依存48Ca/44Ca比を測定し、これらの比がそれぞれの母天体である小惑星や惑星の質量と正に相関していることを発見した。これらは、集積の時間スケールの代理指標となる。この相関関係は、地球型惑星形成領域における原始惑星系円盤の全カルシウム同位体組成の永年進化を示唆している。原始太陽の収縮の100万年以内に作られた普通コンドライト由来の個々のコンドリュールから、内部太陽系の質量非依存48Ca/44Ca比の全範囲が明らかになり、原始惑星系円盤の物質組成の急速な変化が示された。この永年進化は、原始太陽への質量降着に伴って、外部太陽系の始原物質が熱的な影響を受けた内部原始惑星系円盤に混合した過程を反映していると、我々は推測する。原始惑星系円盤の寿命の終わり近くで集積を完了した前駆物質や原始惑星が月形成衝突に関与していたとすれば、我々のモデルは、地球と月のカルシウム同位体組成が同じであるという今回の結果を予測する。

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