Letter
材料科学:空気様雰囲気中で長いサイクル寿命を示すリチウム酸素電池
Nature 555, 7697 doi: 10.1038/nature25984
リチウム空気電池は、理論比エネルギーが高いため輸送用途向けリチウムイオン電池の代替になると考えられている。しかし、これまでのところ、そうしたシステムはおおむね純酸素環境に限定されており(リチウム酸素電池)、カソード、アノード、電解質が関与する副反応が起こるためサイクル寿命が限られている。この副反応は、窒素、二酸化炭素、水蒸気が存在するとさらに複雑化する。その上、リチウム酸素システムは酸素を貯蔵する必要があるため、体積エネルギー密度が低過ぎて実用に向かないと思われる。今回我々は、保護された炭酸リチウム系アノード、二硫化モリブデンカソード、イオン液体/ジメチルスルホキシド電解質からなり、模擬空気雰囲気中でリチウム空気電池として動作し、最高700サイクルという長いサイクル寿命を持つシステムを報告する。我々は、計算研究を行い、この環境でのシステムの動作に関する知見を得た。今回の空気様雰囲気中でのサイクル寿命の長いリチウム酸素電池の実証は、この分野がリチウムイオン技術を超えて進歩するための重要な一歩であり、従来のリチウムイオン電池よりもはるかに高い比エネルギー密度が得られる可能性も見込まれる。

